アロマセラピーとは、植物などから採取される精油(エッセンシャルオイル)を使った「芳香療法」です。
植物天然の香りは自律神経を整え、疲れた心と身体を癒してくれます。
ストレスによる心身の乱れ、日々の疲れなどに、香りを楽しむだけでなく、セルフケアとしても役立てていただければと思います。

精油の歴史とアロマテラピー
古代エジプト
紀元前3000年頃のエジプトでは、神に捧げる儀式の中で植物の香りを使用してきました。また、皮膚を保護する軟膏や香油を用いたり、ミイラを作る時の防腐剤として フランキンセンス、ミルラ、シダーウッド等が利用されていたと言われています。
古代ローマ帝国
ローマ帝国の皇帝ネロはとてもバラを好み、常に部屋をバラの香りで満たし、バラの香油を身体に塗らせていたと言われています。
また、ディオスコリデスは、軍医として方々を旅する機会があり、薬物を実地にて研究しその経験を活かして『薬物誌』を著しました。実用的な本草書であり、1,500年以上の長きにわたり西洋の医学・薬学の基本文献として使われてきました。
中世ヨーロッパ
医師であるイブン・シーナは「錬金術」の研究に取り組む中で、バラが水蒸気蒸留により、精油とバラ水ができることを発見しました。植物からエッセンシャルオイル(精油)を取り出す方法を確立したと伝えられています。その後、エッセンシャルオイル(精油)の製造技術は中東からヨーロッパに広まり、その後のアロマテラピー発展していきました。そして14世紀頃、「世界最古の香水」「若返りの水」と言われるハンガリーウォーターが作られました。
14世紀、ハンガリーのエリザベス王女は脳卒中の後遺症によって麻痺が残り、症状を改善するために処方したハーブ薬がハンガリーウォーターでした。毎日のように入浴や洗顔などに使ったところ、ポーランド国王からプロポーズされるほど美しくなったといわれています。
アロマテラピーの誕生
アロマテラピーという言葉は、1928年にフランスの調香師であり化学者のルネ=モーリス・ガットフォセによってアロマ(芳香)とテラピー(療法)を組み合わせて造られた造語です。
フランス語読みで「アロマテラピー」、英語読みで「アロマセラピー」と語訳されています。
今では世界中に広がり、精油についての研究が進んできている現在では、健康・リラクゼーションのみでなく、美容やスポーツ、介護や医療、予防医学などの分野でも活用されています。
アロマセラピーの吸収ルート
精油の芳香成分ががどのようなルートで体内に吸収されるのでしょうか。
体内に吸収されるルートは、主に以下の3つのルートとなります。
また、吸収された芳香成分が心身にどのような影響を及ぼすかのメカニズムを説明します。
1 鼻から脳へ
精油の芳香分子は、鼻の奥にある嗅細胞を刺激し、嗅神経細胞を経て電気信号へと変化して脳の大脳辺縁系へ伝達されます。脳辺縁系の中には扁桃体や海馬と呼ばれる器官が存在し「情動」や「記憶」に働きかけます。その後、視床下部へと伝えられた情報は「自律神経系」「内分泌系」「免疫系」へと作用します。
2 肺から全身へ
鼻や口から吸入された芳香成分は気管・気管支を経て肺胞に取り込まれ、肺胞から血液に流入して全身の組織や細胞に運ばれます。吸入した精油の成分は約5分後には血液中に検出されることがわかっています。
3 皮膚から血液中へ
芳香成分は分子が小さいため、容易に皮膚から毛細血管へ浸透し、血液中へ入り込みます。また、毛穴や汗腺からも吸収され皮下組織、リンパ管を通じて体内へ入り込みます。
これらは全身の筋肉や器官に運ばれます。成分の吸収速度は分子量の大きさによって異なりますが、塗布後、約15〜20分で血液中に精油成分が検出されることがわかっています。
アロマセラピーの楽しみ方
芳香浴法
ディフューザーやスプレーを使い、精油を拡散させて香りを楽しみます
トリートメント法
精油をキャリアオイル(植物油)で希釈し、体や顔に対しトリートメントを行います。リラクゼーションをはじめ、筋肉の凝りやリンパの滞りの改善、血行促進、保湿効果などがあります。
蒸気吸入法
コップや洗面器などにお湯を入れ、精油を数滴落とし、蒸気を吸います。口や鼻から蒸気吸入することで喉の痛みや呼吸器系のケアに役立てる方法です。タオルを使用することでフェイシャルスチームとしてスキンケアにも活用できます。
沐浴法
キャリアオイルやバスソルトに精油を数滴混ぜ希釈します。お湯を張った浴槽や洗面器などに混ぜ、体を温めることで、血行促進・疲労回復・発汗などの効果を高めくれます。全身浴・足浴や手浴などがあります。
湿布法
洗面器などにお湯または水をはり、精油を数滴落としてから、タオルを入れてしっかりと絞り、患部に当てます。
慢性的な肩凝りや、生理痛の際などは温かいタオルを使用します。捻挫や打ち身といった炎症時には冷たいタオルを使うと良いとされています。

